いま、競馬ファンの間でひそかに話題となっているのが、去年解体された荒尾競馬場から出てきた備品のオークションです。意外なものが、競馬ファンの心をときめかせているようです。これは、2011年、83年の歴史に幕を下した荒尾競馬場ラストレースの様子です。スタンドを埋め尽くした観衆から熱い思いが伝わってくるようです。あれから12年。荒尾市都市計画課 松尾孝史さん「こちらが荒尾競馬場に眠っていた備品で、これからオークションに出すものになります」競馬の像に時計や皿。これらは、解体が終わった荒尾競馬場から出てきた21点の備品でネットオークションにかけられることになりました。荒尾市都市計画課 松尾孝史さん「（備品を）個人的にくれないだろうかという話もあったが、公平性を保つためにみなさんにお声がけして、その中で手に取って頂ける方を決めようということでオークションという選択肢を選んだ」来月14日から3日間で実施されるオークションは200円からのせり上げ形式。参加希望者は今月31日までに入札したい備品ごとにエントリーが必要です。どんなものが出品されるのか…松尾さん「実際に荒尾競馬場で展示されていた騎手紹介のパネルです」一番エントリーが多いのは…「人気があるのはこのダービーの写真」日本ダービーの写真は26日午前中の時点で89人が入札を希望しています。しかし、日本ダービーの写真は荒尾競馬場に直接関係のない代物。担当者もちょっと複雑そうです。松尾さん「ちょっと悲しい思いはあるんですけど、大事にしてもらえるなら」中には、こんなものまで…「打ち抜き機と言いまして、用紙に穴を空ける機械ですね」一体、何に使われていたのか？関係者によりますと不正防止のため馬券に穴を空けるための機械ではないかとのこと。松尾さん「置いておいても邪魔になるような感じがするんですけど…マニアの方にはたまらないものにはなるのかなと。」オークションの申し込みはこれまでに225件。予想外の反響に担当者も満面の笑みです。松尾さん「今回の目的は金額を目標にしていないので、競馬が大好きだ。荒尾競馬が大好きだという人たちの手に渡って、喜んでもらえれば大変嬉しい」オークションで集まったお金は区画整理事業など町づくりの予算に充てられるということです。一方、注目されるのが34．5ヘクタールに及ぶ競馬場跡地の活用です。荒尾市はここに1000人ほどが住める居住ゾーンや商業施設ゾーンを整備していく予定です。道の駅は有明海を見渡せる展望テラスやレストランを備えた2階建ての施設で、梨やぶどうなど荒尾市の特産物や加工品を中心に販売する予定です。荒尾市都市計画課 東川健児さん「この正面に建設予定の道の駅と保健福祉・子育て支援施設ですね。こちらは重要な施設になる」観光や福祉・子育ての拠点として力を入れるのには荒尾市の直面する課題があると浅田市長は言います。荒尾市 浅田敏彦 市長「人口の減少というのも当然、地方都市の１つとして共通の課題があるわけですけど、特に若い世代の女性が福岡都市圏に転出される方が多い」かつては炭鉱の町として発展した荒尾市ですが、1955年をピークに減少の一途をたどり、去年は5万人を切りました。また、観光面でも年間およそ200万人の観光客のうち半分は遊園地を訪れていますが、その他の観光施設は周遊性が低いという現状があります。浅田市長「（競馬場跡地は）かつて非常に賑わった場所ですので、住むゾーンはもちろんですが、たくさんの方に来て頂いて、有明海の夕日を楽しんでもらえるような、何度でも訪れてみたくなるような、そういう場所に是非したい」2026年の開業を目指す荒尾競馬場跡地の再開発。移住や観光の呼び水となるのか注目です。
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